【たびワイン】ウルグアイ:牛肉消費量世界一

ウルグアイの国名は国の西側を流れる「ウルグアイ川」に由来します。
Uru→ウルと言う鳥
Gua→の
Y →川
という意味があります。
ウルグアイは南米に位置していますが、国の北側にブラジルあり、アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスとはラ・プラタ川を
挟んでんで国境を接しています。このラ・プラタ川の支流が国名の由来になるウルグアイ川です。


面積は日本の半分程度。サッカー強豪国としても知られ、第一回ワールドカップで優勝しています。
ウルグアイと聞くと「世界一貧しい大統領」を思い出しませんか?
ホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領です。報酬の多くを財団に寄付し、質素な暮らしぶりが話題になりました。彼がまだ大統領になる前の農務大臣時代にウルグアイ国内の良質な牛肉の普及政策立て、その功績が大きく、現在ウルグアイの牛肉消費量はアメリカ合衆国やブラジルを抑えて堂々第一位です。国民一人当たり年間 43.2 キロの牛肉を食べています。
一日 100 グラム以上も毎日食べている!!!


ウルグアイは平均標高が約 100 メートル。
国土全体がとても平坦で、昔から牧畜業が主要な産業として発展し、質も良く柔らかい牛肉を食してきました。一般的にお料理の方法は、大きな塊のままパリージャと呼ばれるグリルで豪快に焼く「asado」アサードスタイルです。この様に牛肉を食する文化はワイン生産にも影響を与えていて、ウルグアイ産ワインの約78%は赤ワインとなります。その生産量は南米でもアルゼンチン、チリ、ブラジルに次いで第 4 位。ウルグアイの国民一人当たりの年間ワインの消費量は
30リットルととても高いです。

それでは、ウルグアイの人々はどのようなワインを飲んでいるのでしょうか???
ウルグアイで初めにブドウが栽培されたのは、17 世紀後半。アメリカ大陸ではすでに 16 世紀にはワイン造りが
始まっていましたが、ウルグアイは少し遅れてスタートします。ウルグアイのブドウ産地は南緯 30 度~35 度に位置しており、
国の北部と南部で産地が分かれます。温暖湿潤気候のウルグアイの夏は暖かく、冬は寒い。
年間平均気温は 17℃ですが、北部の産地はブラジルからの熱風の影響で気温は平均より高く、南部の海のそばは平均より低く
なります。年間降雨量が多い事や、ラ・プラタ川や大西洋の影響も大きく受け、国全体の平均湿度は75%。そのためブドウ畑は風通りが良くないとカビ病などの被害が起こりやすいです。


この様に湿度の高いウルグアイには伝統的なブドウの仕立て方、LIRA(リラ)仕立てがよく見られます。
大西洋
ブラジル
アルゼンチン
チリ
リラ仕立ては Y 字型に仕立てるため、風通しがよくなり湿気や病害に強く、夏の日差しも確保しやすいと言うメリットがあるのですが、機械収穫が困難と言うところがデメリットでもあります。


それではこの国で飲みたくなるワインをご紹介しましょう。現在栽培されているブドウ品種ですが、黒ブドウの【Tannat タナ】が断トツの栽培面積です。1874 年、フランスのバスク地方からの移民であった PascuaHarriague パスカル・アリアゲが、アルゼンチンのブドウ品種タナを初めて持ち込み、大成功。タナはウルグアイを象徴するブドウ品種になりました。


では、なぜタナがウルグアイの地で大成功したのか?それはタナと言うブドウ品種が持っていた特徴にあります。このタナのキャラクターですが、果皮がとても厚いのでカビ病に強いところが湿度の高いウルグアイには最適でした。
温暖湿潤気候に適している品種なのです。果皮が厚いのでワインの色調もタンニンも強くなります。香りはブラックベリーが
中心でスパイスやカカオ、タバコなど感じられるワインです。しかし、ウルグアイはブドウ畑の土壌も多様です。99 種類の土壌が存在すると言われていて、その土壌によって出来上がるタナワインのスタイルも変わってきます。
南部の産地 Canelones カネロネスは粘土石灰岩でウルグアイ最大産地。
Maldonado マルドナドは花崗岩、花崗岩は世界的にあまり多く見られない土壌なので上質な産地と考えらています。
日本の半分ほどの面積の国で 99 種類の土壌が存在すると言われ、そこでウルグアイを代表する品種タナが栽
培されています。ウルグアイの国民が好んで自国の牛肉料理に合わせる赤ワイン「タナ」、ぜひお試しください。