【たびワイン】オーストラリア ビクトリアの最初のワイン産地「ヤラ・ヴァレー」
オーストラリアは世界で6番目に大きな面積(1ロシア、2カナダ、3中国、4米国、5ブラジル)。
その広い面積ゆえに、気候風土の特徴が様々です。
西オーストラリア州から東の端のニュー・サウス・ウェールズ州までは約3,000km。南半球に位置するオーストラリアでは北が暑くて南が寒い。
現在は冷涼な地域、大陸の南半分でワイン用ブドウ栽培が行われています。
オーストラリアでワインの歴史が始まったのは1788年。英国海軍のアーサー・フィリップ大佐がシドニーにワイン用のブドウ樹を持ち込みました。
その後、「オーストラリアワイン用ブドウ栽培の父」と呼ばれるジェームス・バズビーによりブドウ園が開設され、ワイン生産が広まりました。
今回は数多いワイン銘醸地のあるオーストラリアで、ビクトリア州にある「ヤラ・ヴァレー」に行ってきました。
1838年にビクトリア州で最初にワイン用ブドウが植えられたヤラ・ヴァレーは、
現在オーストラリアで最も古いワイン産地のひとつです。
冷涼な気候のヤラ・ヴァレーでは、スパークリングワイン、シャルドネ、ピノ・ノワールなど、多くのプレミアムワインを生産しています。
では、なぜヤラ・ヴァレーがブドウ栽培に適しているのでしょうか。
ヤラ・ヴァレーには多くの土壌タイプ、標高差、微気候が存在し、やや大陸性気候の影響をうけ昼夜の気温差が激しく、ブドウ栽培にとっては恵まれた環境です。
冬から春にかけて降雨量が多いですが、ヤラ・ヴァレーの土壌は水はけがよく、ブドウの樹が好む低い肥沃度を保っています。夏は暑くて乾燥もしますが、夜になると涼しくブドウの成熟速度が緩和され、ブドウの風味と味わいに複雑さをもたらします。これら全てが合わさったヤラ・ヴァレーは並外れた品質のブドウを栽培する条件が整っていると言えます。
では、お勧めのブドウ品種ですが、白は「シャルドネ」、赤は「ピノ・ノワール」です。
ワインはその産地によって栽培できるブドウ品種、栽培できないブドウ品種があります。この2種類のブドウ品種はヤラ・ヴァレーの冷涼な気候に合い、素晴らしいブドウとなります。
メルボルンからわずか1時間のヤラ・ヴァレー。日帰り旅行で楽しめるワイン産地です。
次回はヤラ・ヴァレーで飲むべきワインについて解説します。